「湘南台の歩き方」コラム
ホタル
2003年7月01日
「藤沢に自然のホタルを見ることができる場所がある」 その話を聞いたのが5月末。教えられた場所に子供と一緒に毎週通った。暗い場所なので、懐中電灯を持参して真っ暗な道を進む。最初は怖がっていた子供たちも、2回、3回と通ううち、怖がらずにその場まで歩いて行くことができるようになった。5月28日に最初のホタルを観察した。その日は3匹ほど。日に日に増えてくるのがわかる。しかし最大でも20匹くらいか。手元に呼び寄せることができ、掌に乗せて観察することができる。源氏ホタルだ。
6月に入ると、7:30PMから8:30PMの観察時刻に私たちの他に何人か観察に来ている。その場ではカエルも鳴いている。子供たちはホタルもそこそこに夜の動物観察が始まる。小川に電灯を当てて小魚を見つけたり、カエルを見つけたり、ザリガニを見つけたり。昼間では見え難い世界を見ることができる。
息子が、茂みで光るホタルの幼虫を見つけてきた。彼らにとっては、とても不思議な世界であろう。心優しい息子は決して、生き物をその場から持ち出そうとはしない。私がそう教えてきたし、息子もその大切さを理解してくれている。観察を終えたら自然に戻してあげる。
雨上がりの蒸し暑い夜がホタルが飛びやすいと言われているが、季節はおりしも梅雨。なかなかそういい条件が揃わない。私が育った横須賀ではホタルなど見た記憶が無い。ここ、藤沢はまだまだ良い自然が残っていると、ここに住まいを築いた喜びを感じている。藤沢は子供を育てるにはとても良い環境である。
10年位前に今は亡き祖父が我が家を訪れた時、この自然が残っている様を見て、「いいところだ」と感想を漏らしたことを思い出す。引地川沿いには水田も広がる。夏の熱い夜、窓を開けて寝ると我が家からはカエルの合唱が聞こえる。あの小さいアマガエルからこんなに大きな音が出るのかと驚くばかりである。
先ほどのホタルの生息地は水田の近くにある。娘がホタルに飽きて、カエルを捕まえた。自然から持ち出すのを嫌がる息子と、持ち帰りたい娘が言い合っている。私は、1日だけという条件を提案して娘もそれを了承した。その日はそれを持ち帰り、ひと晩観察した。手の指、足の指、図鑑と比べながらしっかり見ている。次の日、娘とそのカエルを水田に返しに行った。「カエルさん友達に会えたかなー」娘の言葉である。生物の観察と、動物の命の大切さ、を子供と一緒に勉強した梅雨だった。
追伸: 地元の自然観察団体から、この場所を公の場で公開することを禁止されている為、この場でその場所を明らかにできないことはお許し頂きたい。
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