「湘南台の歩き方」コラム
エリアフゴールドラットの世界
2004年2月01日
皆さんはエリアフゴールドラットなる人物をご存知だろうか?生産業に携わる者にとっては今やバイブルとなっている理論を唱えた人物である。詳しくは文末に載せた書物を読んで頂くとして、TOC(Theory Of Constrained:制約の理論)を考えた人物としてよく知られている。また、小説家に頼んで、面白くない生産業の話を実に面白く小説に仕上げている。NHKのプロジェクトXにでも出てきそうな感じである。いや、それ以上か。
この本が日本で最初に紹介されたのが、アメリカで発表された何年も後であった。1984年にアメリカで発表された「The Goal」が日本で初めて翻訳出版だれたのが2001年4月である。その間、ゴールドラットは日本語訳を拒んでいた。なぜか?トヨタ生産方式などで日本に負けていたアメリカ製造業に日本に対抗できるようにするためだと書いている。これで、日本をやっつけるんだと。
日本に紹介されるやいなや、ベストセラーの仲間入り。日本人は勤勉である。その「The Goal」の後も立て続けに3冊書いている。最近の本が「クリティカルチェーン」だ。これは、今までの理論を、もう少しわかりやすく一般化して、実はこの考え方は製造業だけでなく様々なものに応用できると言うことを示している。今回はプロジェクト管理について応用している。
プロジェクトはなぜ予定通りに進まないのか?会社で仕事をしているとよく目にする事柄である。誰かが約束を守らなかったからか?責任者がちゃんと目を光らせていなかったからか?余裕を持っているはずのプロジェクトがどうして遅れるのか?あなたが、プロジェクトの一員だとしよう。あなたの前後には直列につながった人がいる。前の人の仕事が終わらないと、あなたの仕事ができない。あなたの仕事が終わらないと次の人の仕事が始められない。
あなたは、プロジェクトが始まる前に、プロジェクトマネージャーから、仕事の見積もりを依頼される。自分の現在の仕事量を考慮し、一週間掛かると見積もる。プロジェクトマネージャーにはどう報告するか?「二週間です。」 プロジェクトマネージャーはあなたに約束をさせる。「よし、お前には2月1日に仕事が渡るから、2月15日までに終えなさい。」
各担当者が上記のような余裕を持っているにもかかわらず、プロジェクトは予定通りには終わらない。なぜか?宿題症候群や自分の読みを正しく見せたいとする考えなどが入っているからだと著者は説く。宿題症候群とは、ぎりぎりまで始めないこと。始めないから終わりの期限を守れない者が出てくる。自分の読みよりも早く終えてしまうと、私の読みは多めに見積もっていると悟られてしまうことを恐れて、仕事が終わっても期限が来るまでは報告しない。
こんなのはプロジェクトに限らずいろいろなところで起こっている。流れが存在する仕事は何でも対象になる。さて、では何を管理すればいいのか?著者は以下のように説く。ボトルネックを押さえよ。常にそこに目を光らせていろ。ボトルネックを有効活用するようにボトルネックの前に溜りを作れ。ボトルネックを複数持つようなプロセスは改善し一つにせよ。さて、詳しくは下記を参照されたい。実はこれはアメリカの原書よりも安い。アメリカでは各20ドル程度する。
ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か ダイヤモンド社
ザ・ゴール2 思考プロセス ダイヤモンド社
チェンジ・ザ・ルール なぜ、出るはずの利益が出ないのか? ダイヤモンド社
クリティカルチェーン なぜ、プロジェクトは予定通りに進まないのか? ダイヤモンド社
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